屋根材といっても種類がありますが、現在多くの住宅の屋根材に使用されているコロニアル屋根(化粧スレート屋根)の寿命は20~25年です。
おおよそ8~10年で表層部の塗膜が劣化してきます、そうなると雨水が浸透しやすくなり屋根材へダメージを与え、塗膜のはがれ、ひび割れ、コケ・カビの繁殖、さらには雨漏りにつながる可能性もあります。
■屋根材ごとの寿命の目安
- トタン屋根 :20~30年
- コロニアル屋根 :20~25年
- セメント瓦 :25~30年
- 和瓦 :50年以上
- アスファルトシングル :30~40年
- ガルバリウム鋼板 :30~40年
ただし屋根材の劣化のスピードは日照の多さなど周辺環境によって変わりますので、年数ではなく劣化の状況でメンテナンスをすることが重要です。
屋根のメンテナンスとは?
屋根のメンテナンスには状況に応じて3つあります。
- ①修繕
- ②屋根塗装
- ③屋根葺き替え・カバー工法
①修繕
修繕とは屋根の部分的な補修が必要な場合に行います
例)ひび割れた瓦の交換、棟板金の交換、ルーフィングの敷き直しなど
瓦を割れたまま放置してしまうとそこから雨水が入り、場合によっては雨漏りしてしまう可能性があります。
また棟板金は下地の木に釘で固定していますが、風の影響であったり、また寒暖差によって下地の木がやせてしまい釘が抜けやすくなります。
そのまま放置しているとそこから水が回ったり、他の箇所の釘も抜けたことで強風時に棟板金が飛ばされてしまう事例もあります。
ルーフィングの敷き直し
ルーフィングとは、下葺き材とも呼ばれる屋根材の下に敷く防水シートのことです。雨水を屋根内(屋根裏)に入れず外(軒先)に流す役割を持ちます。
屋根からの雨漏りの原因として、ルーフィング(下葺き材)の”破れ” ”施工不良”が起因していることが多くあります。住宅の屋根の防水は、ルーフィングにかかっていると言っても過言ではありません。
このルーフィングの耐用年数ははゴム製ルーフィングで15年前後、アスファルトルーフィングで25年前後です。和瓦屋根の場合、屋根材よりも防水シートの方が先に耐用年数を迎えてしまいます。
和瓦屋根の場合は、ルーフィングだけを交換して屋根材は同じものを使い続ける「葺き直し」というメンテナンスが可能なのがポイントです。
②屋根塗装
屋根塗装とは塗装を行うことで屋根の防水機能を補うことで建物全体を守る方法です。
屋根の種類によって塗装出来る屋根と出来ない屋根があります。
■塗装出来る屋根
- 〇 金属系屋根 (折半屋根 ・瓦棒屋根・波トタン)
- 〇 化粧スレート (コロニアル)
- 〇 セメント瓦(モニエル瓦など)
※瓦屋根は粘土を使った焼き物の瓦です。 耐久性が高く、そもそも表面に塗料処理がされていないため、塗装のメンテナンスは必要ありません。
屋根材の種類にもよりますが10年前後は屋根から雨の侵入を防いでくれます。
ただし塗装は屋根材自体の耐久性が高くなるわけではないため、屋根材が寿命であれば塗装の効果は低下します。
屋根材の寿命が近い場合は、ほかのメンテナンス方法を検討する必要があります。
③屋根葺き替え・カバー工法
屋根材の種類や屋根材の状態により塗装が出来ないケースや、雨漏りや屋根材の破損範囲が広い場合は葺き替えするか、カバー工法によるメンテナンスが必要です。
メンテナンス費用は塗装よりも高価になりますが、修繕や塗装と比較しても安心感が違います。
※屋根材は建物本体よりも寿命が短く、塗装や修繕を繰り返していてもいずれ葺き替えやカバー工法によるメンテナンスが必要になります。
雨漏りなどのリスクを減らすためにも早い段階での屋根葺き替えやカバー工法によるメンテナンスを計画しておくのも良いでしょう
最後に
屋根のメンテナンスは建物や生活を守るうえで欠かせないものになります。
特に屋根は普段じっくり見ることが出来ない場合が多い為、知らず知らずに劣化が進んでいることがほとんどです。定期的に信頼できる専門業者に相談し、早めに対処することで建物を長持ちさせましょう
もし気になることがあれば些細な事でもお気軽におうちドクターにご相談ください。